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白鷺病院薬剤科
平田 純生

 


IV.腎不全患者の薬物動態の特徴


(3)蛋白結合率の変化

 酸性薬物では蛋白結合率が低下しやすい。フェニトインやバルプロ酸などでは総血中濃度が有効治療域に入っていても、非結合型分率が高いために中毒をおこすことがある。たとえば抗てんかん剤のフェニトインの腎機能正常者における有効治療域は10〜20μg/mL(腎機能正常者では蛋白結合率が90%であるため遊離型濃度としての有効治療域は1〜2μg/mL)であるが、腎機能の低下とともに有効治療濃度が低下する(図1)。

腎不全患者のおける酸性薬物の蛋白結合率の低下の原因としては諸説あるが主に低アルブミン血症に基因するため、血清アルブミン濃度によって投与設計が可能と思われる。またリドカイやジソピラミドのような塩基性薬物の一部はα1酸性糖蛋白と結合するが、腎不全患者では血清α1酸性糖蛋白濃度が上昇することが多く、非結合型分率が低下するため総濃度の測定では期待した効力が得られないことがある。以上のような薬物を腎不全患者に用いる際には遊離型薬物濃度測定が有用である(表3)。

図1.フェニトインの腎機能による有効治療域の変化


表3.腎不全患者における蛋白結合率の変化

酸性薬物 商品名  
インドメタシン インダシン ±
カプトプリル カプトリル
クロキサシリン メトシリンS
クロフィブレート アモトリール
サリチル酸  
ジギトキシン  
ジフルニサル ドロビット
スリンダク クリノリル
セファゾリン セファメジン
セファマンドール ケフドール ±
セフォキシチン マーキシン
チオペンタール ラボナール
トルメチン トレクチン
ナプロキセン ナイキサン
バルプロ酸 デパケン
フェニトイン アレビアチン
ブメタニド ルネトロン
フロセミド ラシックス
ベンジルペニシリン  
ペントバルビタール ラボナ
メトトレキサート マソトレキセート
メトラゾン ノルメラン
ワルファリン ワーファリン
塩基性薬物 商品名  
エリスロマイシン エリスロシン ±
オキサゼパム ハイロング
カルバマゼピン テグレトール ±
キニジン   ±
クロラムフェニコール クロロマイセチン ±
クロルプロマジン ウインタミン ±
ジアゼパム セルシン
ジソピラミド リスモダン
ツボクラリン アメリゾール ±
ドキシサイクリン ビブラマイシン
トリアムテレン トリテレン
トリメトプリム バクタ
ニフェジピン アダラート
バンコマイシン   ±
プラゾシン ミニプレス
プロプラノロール インデラル ±
ベラパミル ワソラン ±
メトクロプラミド プリンペラン ±
モルヒネ  
リドカイン キシロカイン
ピルメノール ピメノール
   
   
±:結合率不変  −:結合率低下   

次回 【(4)分布容積の変化】 に続く


この資料は神戸薬科大学 医療薬学総合研修センターの了承のもと、掲載しております。


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